諏訪大社上社鳥居(2004-02)諏訪市・茅野市

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  本宮大鳥居    
   
  軟弱地盤なので5本の杭で支持している。
笠木、貫(ぬき)、柱にはピアノ線が入っていて締め付けている。
(部材に引張力が働かないようにしている)
笠木の左右の上に小さい部材がのっているが、基本的に一本材の笠木である。
石は岐阜産の御影石。柱の根元の直径1000mm。
最高高さは10m723mm、柱芯々8m484mm。
日本国内でも最大級の石造鳥居であろう。
茅野市金沢出身の新宿サンペイの小林平三氏の寄付である。



 
  本宮東参道鳥居      
  基礎をつくれるスペースが小さいため掘建柱にしている。
地盤はそんなに軟弱ではない、普通の地盤である。
この鳥居は2003年7月23日未明、トラックがバウンドして貫を壊してあて逃げ、大騒ぎになった。ピアノ線が入っていたため破壊せず、ひびが入った。
貫の取替えに苦労した。石は中国アモイ産の灰色御影石。柱の根元の直径670mm。

最高高さは7m230mm、柱芯々6m30mm。



 
  前宮鳥居      
  良質地盤であり、直接基礎とした。柱、貫、笠木にはピアノ線が入っている。
石は岐阜産の御影石。柱の直径840mm。根元の丸い石は亀腹という。

最高高さは8m550mm、柱芯々7m。



 
  本宮 浪除鳥居      
  岐阜産ヒノキ。「両部鳥居」という形式で、稚児柱が付いている。
軟弱地盤であって、4本の杭で全体を支えている。柱の根元の直径545mm。
最高高さ6m783mm、柱芯々4m908mm。
昔はこの鳥居の足元まで諏訪湖がきていて、浪除鳥居といわれていたそうだが、
その様なことはないという異論もある。
建替えられる前の鳥居は、長野県土木建築業組合諏訪支部の野口誧一氏、天野善十郎氏等が中心となり、組合員の寄進により昭和16年に建立された。

上社の宝殿からは、どんな干天の折にも水滴が落ちるといわれ、この「宝殿の天滴」が諏訪の七不思議の一つとされる。雨乞のためにこの天水を持ち帰り神事をすると必ず雨が降ると伝えられている。また、この天水が天竜川の源といわれている。